「竜とそばかすの姫」フラグって知ってる?重ねてからブッぱなす物なんだけどさ。
本記事は「竜とそばかすの姫」のネタバレしかないです。
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竜とそばかすの姫
— セクシー炭水化物 (@NikuYork) 2021年7月20日
脚本:C+
演出:.SS
音楽:SS
脚本が酷い。積み重ねが2か3しかないのに、台詞で積み重ねが50〜70のこと言うから違和感しかない。「私たちが守ってきた正体が!」ってそんなシーンなくない??
音楽は100点で、演出もめっちゃイイシーンで泣かせにくるのに、積み重ねが無くてチグハグ。 pic.twitter.com/WzjQ3VvSzI
バケモノおおかみの不快感はなかったな。美女と野獣のオマージュだったけど。細田守は原案作って他人に脚本書いてもらうのが良い。有象無象の劇団の脚本よりレベルが低い。まずは観客の感情曲線書いて、その感情レベルに到達するための出来事を並べて補強してけや。演出ありきで脚本書くから歪になる。
— セクシー炭水化物 (@NikuYork) 2021年7月20日
Twitterのタイムラインで見た人は数多くいれど、誰もストーリーを褒めていないのでおっかなびっくり見てきました。
感想、
細田守はもう本を書くな!!!!(3度目)
お話の流れ箇条書き
主人公のアバター歌唱から開始
幼少期に母がよその子を救って死ぬトラウマがある
アバターになるまでの経緯
アバター歌手として人気が出ていく様
竜との出会い
竜の正体を特定しようとする
竜とふれあう
現実世界で幼馴染イケメンとの仲を叩かれる
カースト上位女子が幼馴染イケメンに惚れていると勘違い
竜の正体がわかる
アバターではなく自分の正体を出して仮想世界で歌う
虐待を受けていた竜の正体を助けに行く
幼馴染イケメンがデレる
(閉幕)
口の中で交わらない別に美味しくもない三色丼を食わされた感じ。
細田守は画の人なので「こんなシーンをやりたい!」ってのを集めて2時間の映画にしたんだと思う。彼は画面作りが本当にすごいのよ… ウテナの担当回もそうだし、デジモンアドベンチャー映画第一作&TV21話は画面で魅せる素晴らしさに満ち溢れている。今回もウルッとくるシーンはいくつかはあった。
少女革命ウテナ
— 閃光のキャスウェイ (@kyacy_unco) 2021年7月20日
第29話「空より淡き瑠璃色の」
なんだよなぁ#細田守 pic.twitter.com/pJPM60jD9M
ただね… 画面が素晴らしくてもまともな脚本を書けるとは限らず、バケモノ&ミライでストーリーは書けないんだなってのは世間が認識したと思う。今回の「竜とそばかすの姫」はミライの突飛すぎる異常展開よりは成長していて、一応なんとなーくはお話が繋がってる。でも弱いフラグを一個建てる → 強い画面&演出を出す、って繰り返しでバランスが悪く、お話の都合のために嫌々フラグを建てているのが露骨に見えてしまっている。普通はフラグ3,4積み上げてからでっけぇ展開1つを投げて回収するじゃん。
以下、んんんん?ってなったところ
- 主人公がトラウマで歌えないのはわかったけど、歌いたい意思や歌おうとするのがそれぞれ1,2シーンだけで、逆にアバターで歌えている楽しさや喜びが伝わってこない。状況に振り回されているようにしか見えない。ビヘイビアが起こるには「トリガー」「モチベ」「アクション」の3つが必要なのだけど、その「モチベ」を上げてる描写がない。
- 幼馴染イケメンが主人公を好きだという思いを察せるシーンがいくつかはあれど「本当に好きなんだな」ってわかる一瞬の積み重ねが皆無。チラ見と呼び止め程度で彼が主人公を大事に思っているようには思えない。ラブストーリーにするなら、その積み重ねシーンが大事なんじゃん。
- そもそも幼馴染イケメンの描写が薄すぎて、とりあえず主人公がハッピーになるための舞台装置ペニスにしかなっていない。幼少期の話ばっかして、主人公は今の幼馴染イケメンの好きなポイントってどこなのよ。
- メガネ友人が話を回すためだけに動いているように見えて、主人公を大事に思っているようには思えない。本当に親友か?主人公となんでもないコミュケーション取るのはカースト上位女子とか学校のメンツを紹介するシーンだけ。むしろカースト上位女子のほうが自宅交流シーンがあって仲良さそうに見える。
- 合唱おばさんサークルがただのお話上便利な人達にしかなっていない。最後の画面のにぎやかしで入れたかっただけ。
- カースト上位女子と空気読めない男子のカップル成立シーンは良かったけど、別に彼らを削ってもお話は成立する。彼らもお話の都合のために用意されたキャラクターにしかなっていない。主人公が東京に虐待児を助けに行くためなら、別にお前らじゃなくてもイイじゃん。
- 美女と野獣やりたいならそれだけで1本作れるのに、雑なオマージュパッチワークでつまみ食いして、あの作品の「人間中身が大事」ってのが本作からは伝わってこない。アバター捨ててまで歌ったのに、虐待児が抱きしめられてやっと「あんたが本物だって認めるよ」するのは「人間中身が大事」ではないよなあ。
- バーチャルパートと現実パートの結びつきが薄くて、相互に影響しあっていることが伝わるシーンがない。主人公(ベル)の話がリアルで出てきてたくらい。対向関係にもなっていない。平行線。
本当に演出は素晴らしいし音楽もサイコーなんだけど、カロリー高めの演出シーンに至るまでの前菜がショボくて、町中華の餃子3個食った次にフレンチフルコースのメインが出てくるチグハグを劇場で2時間繰り返し味わされた。竜が出てくるまでは「おっ、傑作か?」ってなっていたんだけれど、そこからの展開がいくらなんでも雑過ぎる。ダイジェストじゃないですよねこの映画。サマーウォーズと比べて画面がかなり派手だから、数年後TikTokで1シーン切り取られて「泣いた😢」みたいなの投稿されまくりそうではあるけど、トータルのお話としては嚙み合ってない・相互作用がない・展開のつなぎが雑。
吐き出してすっきりした。